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スノーブーツ

冬になるとニュースや新聞で雪道での転倒がよく報道されます。雪道は踏み固められると凍りやすくなり、スケートリンクのように滑りやすくなるのです。それに加えて、積雪が多いと歩きにくくなるのでどうしても誰かが先に踏み固めた路面を歩くようになってしまうのです。そこで、雪道を安全に歩くためのスノーブーツと滑らない歩き方を紹介していきます。

スノーブーツの定義とは

スノーブーツはその名の通り「雪道を歩くために履くブーツ・靴」を指しています。ブーツという言葉から、「革や化学繊維で作られたブーツ」だけがスノーブーツのように思われていますが、実際のところ「ブーツ」には「長靴」という意味もあるので「冬用ゴム長靴」もスノーブーツに含まれているのです。

スノーブーツの特徴

スノーブーツは雪道を歩くことを前提としているので、春先から秋まで履く靴とは違う設計になっています。一つは「足を冷やさない」ことです。足先から足首までを覆うアッパーの内部に保温性の高いボア素材などを使用し、足を冷えにくくする工夫がなされています。そして「滑りにくい」ことも挙げられます。靴底を厚くして裏面の凹凸を深くすることでスタッドレスタイヤのように雪や氷に食い込みやすくしているのです。この工夫によってスノーブーツは多少のアイスバーンでは滑りにくくなっています。

スノーブーツの仲間

また、厳密にはスノーブーツではないもののスノーブーツの一種とされているものにスノボーやスキー用のブーツがあります。「ピンディング(金具)で板・ボードに止める機能を有した靴」であるのは確かですが、歩くのにはあまり向いていない靴であるとも言えます。しかし、スキー・スノボー用のブーツは普通のスノーブーツよりも重量があるので転びにくいという利点があります。しかし、本来はスキー板やボードを装着するための靴なので外出などに向いているとは言えません。

スノーブーツの原点を考える

スノーブーツの原点と言える靴は、日本においては「ズンベ」と呼ばれる藁製の長靴でした。稲作が伝来してから、米を獲った後に残る藁は生活に欠かせない素材となったのです。藁は通気性がよく保温性にも優れた素材なので、履物にうってつけの素材でもあったのです。ズンベ以外の冬靴としては、熊などの動物の毛皮で作った靴やアイヌ民族が作っていたという鮭の皮製の靴があります。スノーブーツの原点とはこういった「雪道を暖かく歩くための靴」にあるのです。

スノーブーツの選び方のポイントとは?

では、スノーブーツを選ぶときどのような点に気を付ければよいのでしょうか? まず、気を付けたいのは「靴のサイズ」です。俗に「靴を選ぶ時は親指が入る程度の余裕があるものを選ぶようにする」と言われますが、スノーブーツの場合積雪に足を取られて靴が脱げてしまうことがあります。なので、余裕が出来るか出来ないか程度にサイズが合ったものを選ぶようにしましょう。第二に気を付けたいのは「雪道で滑りにくいこと」です。靴底の裏面をよく観察して、滑り止めの役目を果たすものかどうかを見極めましょう。出来れば、冬用のトレッキングブーツなど滑り止め効果の高いものを選びましょう。第三には「保温性の高いものを選ぶ」ことです。スノーブーツも通常のブーツのように、デザインの良いものを選ぶ傾向にありますが足先が冷えて血行障害を起こすことがしばしばあります。アッパー部分が保温性の高い素材を使っているものや、二重・三重構造になっているものを選びましょう。

冬道で滑らないための歩き方とは?

今や、冬の風物詩となっている「雪道での転倒報道」は豪雪地帯である北海道・東北地方よりも関東地方以南でのものが多く聞かれます。北海道・東北地方では積雪が毎年のことなので必然的に雪道での歩き方を覚えますが、関東地方以南では逆に雪が積もることの方が珍しいことなので、雪道での歩き方を体得する機会になかなか恵まれないのです。そこで、「スノーブーツで滑らないための雪道の歩き方」を紹介していきます!

スノーブーツを活かして滑らないようにするためには

まず、滑らないようにして歩くためには「歩く」ということを深く知らなければなりません。人間が歩く時は必ず腕を軽く振り出しますが、これは「重心の操作」を行うためなのです。一説には「人間の神経の90%は重心制御のために使用されている」と言います。人間の歩き方は、進化の中で「どうすれば転ばないように二足歩行できるか」を突き詰めていった結果なのです。詰まる所、雪道で滑らないように歩くためには「雪道での重心の操作」を覚えなければならないということなのです。

雪道で滑らないための重心の操作を覚える

雪の無い道を歩く時、人間は足の重心をつま先から足指の付け根の辺りに置いています。これは、踵を上げると同時に地面を蹴って前に進む動きがしやすいようにするためなのです。しかし、この動きは雪道で凍った路面に対しては非常に滑りやすくなる動きであると言えます。雪道では足の重心を、『土踏まずのある足の中央』付近に置いて歩くようにします。

雪道で滑らないための足の動かし方を覚える

重心の置き方を覚えたならば、今度は足の動かし方です。通常は「踵を上げて地面を後ろに蹴る」ようにして歩きますが、雪道では「膝を中心にして足を前に持ち上げる」ようにして歩きます。つまり、路面に対して平行な動きをするのではなく垂直な動きをすることで滑りにくくなるのです。

雪道で滑らないための路面の見方を覚える

更に大事なのが、路面状況の見方です。路面状況を把握していれば、普通の歩き方でも滑らないで歩けるのです。路面状況で見分けるべきなのはアイスバーン路面です。アイスバーンは踏み固められて圧縮された雪が水分を取り込んで氷結したもので、通常の圧雪路面よりもキラキラした見た目を持っています。しかし、アイスバーンを見分けるには時間が掛かるので、先に路面を確認した上でアイスバーンを避けるコース取りを行うように心がけましょう。